青い鳥文庫のノンフィクション作家といったら、岩貞るみこさん!
そして、子どもたちの大好きな動物のお話を紹介していきます。
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岩貞るみこ『もしも病院に犬がいたら こども病院ではたらく犬、ベイリー』で知った日本のファシリティドッグの少なさ
岩貞るみこ『もしも病院に犬がいたら こども病院ではたらく犬、ベイリー』
病院で働くファシリティドッグのベイリーと、
日本での第一人者であるハンドラー森田優子さんのノンフィクション。
もともと看護師だった森田さん。
子どもたちをすこしでも元気づけるために、看護師になったらこうありたい!と思っていた理想。
しかし現実の厳しい人手不足、患者さんを安心させるような対応が出来ないこと、
いろいろな問題を抱える医療現場に悩まれます。
そしてその心の葛藤の先に、
ファシリティドッグのパートナーであるハンドラーになる決意をするところから始まります。
ハワイでの研修からこども病院に勤務、そして毎日勤務できるようになるまでの
困難や喜びについての本です。
胸が痛む別れもあって子持ちの母親としては辛かった(泣)
今もそんなに普及していないし。
そして文中にも多く、看護師さんと病と闘う子どもたちとのやり取りが出てくるので、
病院で働きたい人、看護師さんになりたい!という気持ちのある人にもオススメしたい本です。
また、こども病院の子どもたちの気持ちをもっと知ってほしくて、
こんな本も一緒にオススメしています。
小児病棟の子どもたちが、各々の命の灯火をしっかりと輝かせた詩集です。
今、この場にいるだけで、生きているだけで、
みんなの体はものすごく頑張ってくれているんだよ。
だから、自分のこと、自分の体を抱きしめて、褒めてあげるんだよ。
高学年には、こちらを毎年おすすめしています。
重松清『きみの友だち』
本のおすすめが一番難しい中学年に動物のノンフィクションを
小学校中学年くらいの子どもへの本選びって
実は非常に難しい。
あくまで管理人のらこ先生の6年間の自校での感覚ですが、
大別すると読解力&嗜好レベルに4段階ほどあり、
絵本もしくは低学年向け幼年童話を好む子 15%
イラストで文庫を手に取るだけもしくは好きなキャラクターの学習まんが系のみの子 55%
教科書レベルの文章の本を日常の読書でもしている子 25%
高学年向けの長編も読める子 5%
という分布なんです。
この子達に本の紹介をして、
一番響く話題が動物と家族と食べ物
岩貞さんが書かれている本は他にも、
『ゾウのいない動物園ー上野動物園 ジョン・トンキー・花子の物語ー』
『しっぽをなくしたイルカー沖縄美ら海水族館フジの物語ー』
しっぽが壊死して切除せざるを得なくなったフジが義足ならぬ義尾の開発によって再び跳べるようになるまでの感動のお話。
フジのために頑張った大人達の姿がカッコいい。
など、子どもたちの大好きな動物や、聞いたことのある話をテーマにしたものなので、
受け入れられやすいと思います。
名作絵本『かわいそうなぞう』を読んだら、その真実『ゾウのいない動物園』もおすすめ
なーやんは、上野動物園のジョン・トンキーを覚えている?
そう、上野動物園には当時3頭のゾウがいて、ジョン・トンキー・ワンリーと言いました。
ジョンは乱暴だったので、猛獣処分令の一番はじめのゾウに選ばれたのです。
しかし、ジョンがなぜ乱暴になってしまったのか?
その真実も『ゾウのいない動物園ー上野動物園 ジョン・トンキー・花子の物語ー』でわかります。
飼育員さんたちにはもちろん悪意がなく、
最後まで希望を持ち、ジョンの更生に尽力してくださったとしても、
残念な人間の行いや不運の重なりによって
ジョンのゾウ人生が転落してしまった気がしてなりません。
そして動物園学(というのかわかりませんが)、
こうして先人の方々が体をはって、怪我したり、ときに命を落としながら、
進歩発展してきたんだなぁということを感じました。
獣医さんといえば、
私の代で、それとなく図書室に入れてしまった名作漫画はこちら。
いやあそれにしても、岩貞先生かなりの行動派!
イタリア生活羨ましいなぁ。
岩貞るみこ (先生の公式サイトにとびます)
移動教室とかで忙しくない人は、ちょっと机移動して帰ってよねー。
ではまた、あなたもお暇なときに、いらしてくださいね。